

MRガイド下集束超音波治療(MRgFUS)
超音波とは妊婦検診や健康診断で使っているあの超音波のことです.超音波検査は無害です.それは,超音波のエネルギーは非常に弱いものだからです.その超音波も集束させることで温度を上昇させて子宮筋腫を焼いてしまうだけのエネルギーを作り出すことができます.集束とは1点に集めるという意味です.理科の実験で太陽光を虫眼鏡で集束させて紙を焦がしたことを思い出していただけると分かりやすいでしょう.超音波のエネルギーを病変部(筋腫)に集約して焼いて治すのが集束超音波治療ですが,病変以外の部分に熱が発生してしまうと思わぬ副作用が発生してしまいます.それを防ぐには病変部分以外に熱が発生していないかを監視する必要があります.MRgFUSでは磁気共鳴画像(MRI)を使って温度をモニターします.MRIで温度をモニターしながら治療のガイドに使う方法ですのでMRガイド下という名前がついているのです.

MRgFUSの特徴
本治療の目的は子宮筋腫による症状を改善することです.治療効果により子宮筋腫は縮小します。ただし、病巣が大きい場合は、十分な縮小効果が得られない、もしくは縮小するまでに時間がかかることがあります。子宮筋腫に伴う自覚症状のうち、筋腫の大きさに依存しない症状(過多月経、月経時痛など)は、治療翌月〜3か月以内に改善が期待できます。筋腫の大きさに依存する症状(筋腫による圧迫症状である頻尿、便秘など)は、筋腫の縮小と並行して軽減もしくは消失することが期待されますが、大きな筋腫の場合は症状軽減まで時間がかかります。

筋腫があっても何も症状がない場合も多く、そのような場合には悪性の疑いがなければ経過観察となります。症状があっても軽い場合には、対症療法といって鉄剤や鎮痛薬を用いて症状を軽減させながら経過をみることもあります。しかし、過多月経、貧血、下腹部腫瘤感、圧迫症状、月経痛などの症状が強い場合や、不妊の原因となっている場合には治療が必要になります。治療法には手術 (子宮全摘出術、筋腫核出術、子宮鏡下筋腫摘出術) 、ホルモン治療 (偽閉経療法)、子宮動脈塞栓術、MRIガイド下集束超音波治療などがあります。それぞれ長所と短所があります。

治療機器の性質上,次のような方はMRgFUS治療を受けていただくことができません。
1.腹部に傷のある方。特に手術の痕が残っている場合
2.妊娠している方
3.将来,妊娠を希望している方
4.筋腫による症状がない方,症状の軽い方
(本治療法は症状改善を目的にして行っているためです.筋腫による症状があってはじめて治療の対象となります.)
1.腹部に傷のある方。特に手術の痕が残っている場合
2.妊娠している方
3.将来,妊娠を希望している方
4.筋腫による症状がない方,症状の軽い方
(本治療法は症状改善を目的にして行っているためです.筋腫による症状があってはじめて治療の対象となります.)