

Q1.将来、妊娠を希望していますが、この治療はできますか?
将来に妊娠を希望する女性では、卵管、卵巣、子宮内膜、正常筋層への安全性が確立されていないため、現時点では適応外としています。
Q2.以前に筋腫の核出術をしているので、もう手術はしたくありません。この治療はできますか?
臍周囲や下腹部など治療を行おうとする筋腫の前に傷 (筋腫・卵巣嚢腫・帝王切開などの手術瘢痕、やけど、その他の瘢痕) があると、超音波がその部位で吸収され火傷を起こす危険性があるので治療できません。
Q3.がん検診のときに筋腫といわれました。症状は何もないし、血液検査で貧血もないと言われましたが、治療は必要ですか?
筋腫の治療は、過多月経による貧血、下腹部腫瘤感、圧迫症状、月経痛などの症状が強い場合に必要になります。何も症状がない場合には、悪性の疑いがなければ経過観察となります。
Q4.子宮腺筋症と言われていますが、治療できますか?
筋腫という「こぶ」を集束超音波で熱凝固させる治療です。子宮腺筋症は子宮の筋層がびまん性に厚くなる病気で、この治療による安全性はまだ十分には確立されていません。
Q5.閉経して数年たっていますが、この方法で筋腫を治療したいのですが。
これは筋腫による症状がある方に対して、筋腫を小さくして症状を軽減させる治療です。一般的には閉経すると筋腫は増大しませんし、過多月経も起こりません。もし、閉経後にもかかわらず増大するとしたら、肉腫などの悪性腫瘍が疑われますので、むしろ精査や摘出手術による病理組織検査が必要となります。
Q6.この治療をすると筋腫はなくなりますか
筋腫を100%焼却できるわけではないので、一部は残ります。残った筋腫部分から再増大していく可能性はあります。
Q7.筋腫が大きくて10cm以上あると言われていますが、治療できますか。
筋腫が大きいと治療時間が長くなり、下肢深部静脈血栓症いわゆるエコノミークラス症候群や肺塞栓症という重大な合併症が起こる危険性があります。ですから1回に治療できる容積は限られます。事前にMRI検査を行って治療の適否を検討いたします。
Q8.筋腫がいっぱいあると言われていますが、治療できますか?
治療に有効な超音波エネルギーの到達深度、減衰などを考慮すると、4センチ以上の筋腫が6個以上存在する場合には、すべてを治療することはできません。症状と関係の強いと考えられる筋腫を選んで治療することになります。
Q9.筋腫が小さくて、しかも子宮後屈なので治療ができないかもしれないと言われましたが、どういうことですか?
子宮と腹壁の間に腸管があると、超音波エネルギーが腸管に吸収され温度上昇をもたらし、腸管損傷や穿孔を起こす危険性があります。子宮が後屈していたり、大きくない場合には子宮と腹壁の間に腸管が存在する可能性があります。事前にうつぶせでMRI検査を行って腸管の位置を確認して、治療ができるかどうか判断します。
Q10.筋腫が背中側にあると治療できないかもしれないと言われましたが、どういうことですか?
超音波エネルギーは体内に入ると減衰します。したがって、あまり深い位置にある筋腫は治療できません。また、仙骨 (骨盤の背中側、つまりお尻の骨) に近いと、骨は超音波を吸収しやすいので温度が上昇し、この近くを走っている神経に障害を与える危険性があります。事前にMRI検査を行って筋腫の位置を確認し、治療の可否を検討します。
Q11.治療は痛くないですか
腹部、腰、下肢に鈍い痛みを生じることがありますので、痛み止めや鎮静作用のある薬を投与して治療を行います。
Q12.腰が悪いのでうつぶせ寝が長い時間できないのですが、大丈夫ですか?
治療はうつぶせの状態で行います。時間は筋腫の大きさ、数などによっても異なりますが、4時間くらいかかります。したがって、うつぶせができない方はこの治療はできません。
Q13.次の日から仕事に行けますか
ほとんどの方は次の日から普通に生活ができます。当院では治療後の状態を確認するために、翌日まで入院していただきます。
Q14.生理中でも大丈夫ですか
生理中でも治療はできますが、治療の間は動くことができないため、ナプキンの交換ができません。月経量が多い日は避けた方がよいでしょう。なお、治療中はトイレに行けませんので、膀胱内にバルーンカテーテルという管を留置しておきます。
Q15.どんな副作用がありますか
治療によって発生する熱により合併症が起こることがあります。治療中には腹部や腰部の鈍痛、嘔気などを感じることがあります。治療後には、発熱、皮膚の発赤、熱傷、腰痛、下肢痛、帯下の異常 (汚い帯下、量の増加) などが起こることがあります。他に、尿路感染や、使用した薬剤に対するアレルギーが起こることがあります。ごくまれですが、下肢の違和感が長期間続いたり、腸管の瘢痕狭窄・穿孔などの報告がありますので、治療後も定期的な診察が必要です。
Q16.この治療を受けるにあたり、他にどんな問題点がありますか?
MRガイド下で行いますので、MRI検査が問題なく受けられることが条件となります。体内にMRI不適合の金属がないこと、閉所恐怖症でないこと、などです。さらに造影剤を使用するため、造影剤にアレルギーを起こしたことがない、気管支喘息がないこと、などが重要です。
治療時間が4時間くらいかかり、その間うつぶせでじっとしていなければなりません。下肢深部静脈血栓症いわゆるエコノミークラス症候群や肺塞栓を予防するために、弾性ストッキングをはいていただきます。
治療時間が4時間くらいかかり、その間うつぶせでじっとしていなければなりません。下肢深部静脈血栓症いわゆるエコノミークラス症候群や肺塞栓を予防するために、弾性ストッキングをはいていただきます。
FUSをご希望の方は、まずはお近くの産婦人科で診察を受けて下さい。そこでご相談され、紹介状をお持ちになって当院の産婦人科を受診してください。すべての方にFUSができるわけではありません。治療の適否は当院での婦人科診察とFUSの条件下でMRI検査を受けていただいて、検討させていただきます。FUSができない方については別の治療法を提案させていただきます。
必ずお近くの産婦人科医からの紹介状をお持ちください。
受付は 月・水・金 (ただし、休日は除く) の8:30〜10:30です。
連絡先 山梨大学医学部附属病院 産婦人科外来
担当医 大森真紀子
TEL.055-273-1111(平日 9:00−16:00)
必ずお近くの産婦人科医からの紹介状をお持ちください。
受付は 月・水・金 (ただし、休日は除く) の8:30〜10:30です。
連絡先 山梨大学医学部附属病院 産婦人科外来
担当医 大森真紀子
TEL.055-273-1111(平日 9:00−16:00)