
- HPをリニューアルしました。(2012/10/28)

FUS (Focused Ultrasound Surgery; 集束超音波治療) について

山梨大学医学部附属病院では、2012年 (平成24年)、放射線部内にFUS (Focused Ultrasound Surgery; 集束超音波治療) のための治療機器を導入・設置しました。この機器は、MRI のガイド下に、子宮筋腫に対する治療を行うものとして厚生労働省の薬事承認を受けています。
最近、子宮筋腫に対して、手術による摘出以外にも、さまざまな治療法が行われており、この FUS はその一つです。当院では、すでに 7 月より、この方法による子宮筋腫の治療を開始しております。
FUS は、お腹を切ることなく子宮筋腫を縮小できる点で、とてもメリットの大きな治療法です。しかし一方、FUS で治療できる筋腫には一定の条件があり、誰でもがこの治療を受けられるというわけではありません。子宮筋腫について、ならびに、FUS については、次項以降でご説明いたしますが、もし、当院での FUS をご希望される場合には、まず、お近くの産婦人科の先生にご相談していただき、その先生のご判断を仰いでください。なお、せっかく当院を受診していただいても、場合によっては、FUS の適応外 (FUS が施行できない、または、FUS では治療が困難) 判定される場合があることをご承知おき願います。
当院では、できる限り多くの方がこの FUS による治療の恩恵をうけられるよう、産婦人科、放射線科、放射線部ならびに看護部が協力して治療体制を築いてまいります。
山梨大学医学部産婦人科教授 平田修司
子宮筋腫・子宮腺筋症に対する集束超音波手術 (MRgFUS)の治療開始について

大学病院の大きな使命の一つは、先端医療の開発・研究および臨床応用です。
当院も例外ではなく、各診療科は、先端医療技術を研究し、患者様のご協力のもと、臨床応用につなげています。
今回、当院放射線部に導入が実現したMRgFUS(MR-guided Focused Ultrasound Surgery; MRガイド下集束超音波手術)装置も、そんな先端医療装置の一つです。国から薬事承認が得られた装置としては、全国にまだ5台しかなく、国公立病院としては本邦初の導入となります。
2012年7月より、当院放射線科(担当;市川智章准教授、佐野勝廣助教)と産婦人科(担当;平田修司教授、大森真紀子講師)の共同で子宮筋腫の治療に対し、臨床応用を始めており、施行例数はすでに10例を越えております。体の深部にある病気のみを選択的に焼灼するMRgFUSは、非侵襲的(体に傷をつけることなく、切開の痛みを伴わない)治療法であり、翌日からの仕事復帰も可能な非常に優れた治療法です。当面は安全を第一に考え、一泊入院で行なっていますが、安全面が確立すれば、日帰り治療への切り替えも考えています。子宮筋腫による症状で悩まれている一人でも多くの方に知っていただきたく、現在、積極的に新聞などのメディアを通じ、広報活動を行っています。ご興味のある方はお気軽に、最寄りの産婦人科にて、MRgFUS治療の希望をお伝え願えればと思います。
MRgFUSの原理を考えると、将来的には子宮筋腫以外の病気も治療対象となりえます。
ご質問がありましたら、お気軽にお問い合わせいただきたいと思います。
山梨大学医学部放射線科 市川智章